ラストパス 中村憲剛

ラストパス 中村憲剛

東京が生んだ偉大なサッカー選手があります。チーム、ファン、家族、恩師に対する感謝の気持ちを感じます。ラストパスに込められたメッセージは関係する全ての人への貢献につながっていくものであります。選手としては、エリートではないが、ハンデを克服しながら自分の課題に向き合い成長遂げて引退を迎える事になりました。サッカー選手は、1日の練習、1つの試合、1年が勝負であり厳しい環境でパフォーマンスを発揮しなければなりません。自己分析と自己追求により自分自身に向き合う姿勢がとても素晴らしく思います。本書を通じて数々の共感を得ることになります。

何度かアントラーズの小笠原満男が登場します。2年前に我が選手達が小笠原ジュニアが所属するアントラーズと対戦して惜しくも敗れてしまいました。この悔しさを忘れずに、将来リベンジを果たす時がくることを願っています(笑)

小笠原満男は相手のどこが肝なのかを把握し、どこを制すればいいのか勝負の世界を熟知した選手である。

サッカーIQとは認識の速さ、自己解決力である。自分で問題を認識して、素早く解決へと導く。かつ自分の特徴を把握しつつ、それを活かしながら立ち位置を変えて振る舞うことが重要になる。それでいて周りがうまく機能するように、自身も変化しながら自分も機能するように仕向けることができるかどうか。そうした思考や行動を含めて自己解決力こそが必要な素養である。サッカーは日々進化している。戦術や戦略などトレンドが変わっていく中で、その瞬間、その瞬間でベストな選択をし実行することができるか。自己解決力を伴ったチームへと進化し成長していった。

2015年ボルシア・ドルトムントと対戦した。その時は0-6と完敗。個々のテクニックの高さやチームとしてのパススピードの速さをこれまでかと見せつけられた。試合が終わったときここまで差があるのかと自分たちが到達しなければならないレベルはあそこなのかと強烈に感じたことを覚えている。この試合は会場で観てましたが、後半のドルトムントの勢いが凄まじかった。現在マンチェスターシティーで活躍するギュンドアンのスピードと運動量がとても衝撃的でした。

楽しみにしていたボルシア・ドルトムント

物事は変化があるからこそ楽しく、終わりがあるからこそ美しい

ハンデをチャンスだと思う。周りの環境やチームメイトに文句を言ったりそういうのは一切関係ない。全部自分にベクトルを向けてください。その気持ちを持って1日1日を頑張れば必ず道は拓けます。そして周りが助けてくれます。今サッカー選手になりたい、でもちょっと悩んでいる子供たち。明日からまた新しい気持ちでボールを蹴ってほしいと思います。

サッカー選手はピッチの上以外にも存在価値、存在意義があると言うことを知った。自分の可能性を自分で閉ではいけない、周りは関係なく、自分にベクトルを向けてコンプレックスを武器に書いてほしいと言うこと。そしてどんな時でも支え続けてくれる家族に対しての感謝。

周りのせいにしたり、環境のせいにしたりするのではなく自分にベクトルを向ける。

運命とは自分で引き寄せるもの。自分にベクトルを向け、もう1人の自分と向き合い続けること。そしてその続けることの内容に目を向けること。その繰り返しが自分を成長させる。その結果、花だと思っていたものはいつしか大きな木になった。常に持ち合わせていたのは周りへの感謝と感激と感動の気持ちだった。

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *